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株式会社ウィルズ 杉本社長 上場記念インタビュー

弊社投資先である株式会社ウィルズが2019/12/17マザーズに上場しました。株式会社ウィルズは「効率的な資本市場の実現と企業価値の最⼤化を⽀援」することをミッションとし、上場企業約260社が利用する「IR-navi」や、急成長中の「プレミアム優待倶楽部」を運営する企業です。今回の上場を記念して、株式会社ウィルズの代表取締役社長CEO杉本光生様に、弊社投資担当の代表取締役会長奥原を交えてインタビューを行いました!
 
株式会社ウィルズHP <https://www.wills-net.co.jp/>

Q:まずは事業内容を教えて下さい。

杉本:3つサービスがありまして、1つ目は「IR-navi」。2019年9月末時点で、上場会社約260社にご利用いただいております。2つ目が、成長ドライバーである「プレミアム優待倶楽部」。3つ目が「ESGソリューション」。もともと当社は、上場企業のIRコンサル、アニュアルレポート、統合報告書というコミュニケーションツール作成の支援事業から創業した会社です。当時は、その事業で出た利益を全て「IR-navi」の開発投資に充当してきました。「IR-navi」とは、国内外の機関投資家による上場企業約3,700社の株式保有状況を調べることができるクラウドサービスです。また、国内約4,000名、海外約100,000名のアナリストやファンドマネージャーのデータベースも備えており、世界中の機関投資家にIR情報を瞬時に配信できるツールになっています。もともと「IR-navi」は、外国人投資家、国内投資家、個人投資家という3つの投資主体全てをインターネット上で結びたい、という構想でつくったサービスです。

今でこそ、機関投資家による株式保有情報を調べるツールはたくさんありますが、1つの株主管理プラットフォーム上で、個人投資家を含めた3つの投資主体の保有情報や株主情報を一括して管理できるのは、世界で当社だけだと自負しています。そして、成長ドライバーである「プレミアム優待倶楽部」は、各社毎に専用の株主優待サイトを立ち上げて、当該企業の株主がそのサイトに会員登録をすると、保有株式数や保有期間に応じて株主優待ポイントが付与されるというサービスです。株主は付与されたポイントを使って、3,500点の商品の中から好きなものと交換できます。

ウィルズ杉本社長

Q:足元の業績を教えて下さい。

杉本:今期の着地予想としては、売上高1,793百万円、営業利益310百万円ですが、そのうち「プレミアム優待倶楽部」の売上計画は1,225百万円、「IR-navi」が260百万円、「ESGソリューション」が286百万円という計画になってります。

奥原:良かったですね。そんなに伸びて。僕が投資したとき、「プレミアム優待倶楽部」は今年こそ爆発します、と言って1件も売上が立たなかった。

杉本:厳しい時代でした。私としては「プレミアム優待倶楽部」が立ち上がれば絶対にいけるという自信があったのですが、あまりに何年も鳴かず飛ばずの状況が続いたので、皆に愛想つかされて、そのうちの一人が奥原さんでした(笑)。

奥原:あれはファンド満期だったので、仕方がなかったですね。
(編集注:一旦ファンド満期でexitし、その後再度投資した。)

杉本:確かに仕方がなかったです。2年くらい償還期限を延期してもらいましたが、それでも追いつきませんでした。

奥原:「IR-navi」も結構増えましたよね?以前は200社いくかいかないかでずっと足踏みしていたように思います。

杉本:当社の財務状況が改善するにつれ、「IR-navi」は自然と売れていく状況になりました。今は純増に戻ってきています。当社が上場してからは「IR-navi」の引き合いも増えました。上場によって会社の知名度や信用度が高まり、営業現場では、お客様から、「今日もウィルズの株が上がっている」などと言われるらしく、かなり営業がしやすい状況となりました。もともと「IR-navi」は、競争力のある商品でしたが、当社の経営状況が芳しくない時期には、同業他社に「そんな信用のない会社の商品は使わない方がいい」、とネガティブキャンペーンをされたこともありました。

奥原:本当に良かったですね。

杉本:僕も奥原さんに恩返しできて良かったです。

奥原:全然足りませんけどね(笑)。恩返しのチャンスを頂いたのはありがたいです。まだまだ稼いでいただかないと。

杉本:奥原さんはいつもこうやって、プレッシャーをかけ続けるのです。ある時、僕のデスクに「挫折禁止」のステッカーを貼って帰っていかれた(笑)。

奥原:実は僕の自分のパソコンにも同じものが貼ってあるのです。

Q:NVCC奥原との出会い、投資を受けた経緯について教えて頂けますか?

杉本:当社社外取締役の方から奥原さんをご紹介頂きました。当時NVCCは津田さんという方が社長で、奥原さんは担当者でした。津田社長に話をしたら、当初はそんなIR会社に投資しないと言われたそうですが、それでも粘って、話だけは聞いてやるというところまで持っていってもらって、投資委員会でプレゼンしたのですが、そこでなんと津田さんが「ブラボー!ブラボー!」と言い出したのです。「素晴らしいね、君!」と。会社に戻ってきたらすぐに電話があり、津田社長が「5,000万円と言わず、1億くらい出してやれ」、という話になって。そんな流れで投資が決まりました。「IR-navi」は、手前味噌ですが、商品としては良くできていたのです。

奥原:当時はとても画期的でしたよね。今でこそ似たようなサービスは出てきていますけど。

Q:投資後、NVCCからどのような支援を受けましたか?

杉本:ハンズオンをしてもらったのです。我々のサービスはお客様が上場企業であることもあり、上場企業との幅広いネットワークをお持ちの奥原さんや津田さんから潜在的なお客様を紹介して頂きました。20-30社どころではなく、もっとたくさんです。それも決裁権限のあるキーマンを紹介していただけたので、案件も決まりやすく、本当に助かりました。

Q: これからのウィルズについて教えて頂けますか?

杉本:まず、先程お話したように、我々は株主管理プラットフォームを通じて全ての投資家と発行体を結ぶというモデルを作りました。当面はこの仕組みをブラッシュアップさせながら、世の中にもっと普及させていくことで、効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援する、という我々のミッションを実現していきたいと考えています。

Q:NVCCをどういったベンチャーにオススメしたいですか?

杉本:NVCCは出資母体がレジェンド。エクセレントカンパニーが多いと思います。そういう背景があるので、正当なビジネスモデルを持ち、IPOゴールではなく、日本経済にインパクトを与えるようなベンチャー企業に投資して貰いたいと思います。

ウィルズ杉本社長

NVCC会長の奥原(写真左)とウィルズ杉本社長(写真右)

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